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トータルサービス事件:未払代金等請求事件

平成13年6月27日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官
平成11年(ワ)第1792号 未払代金等請求事件
口頭弁論終結日 平成13年3月30日
判決
東京都▲▲市▲▲町▲丁目▲▲番地の▲▲
原告 株式会社バスタブドクター
同代表者代表取締役 山口恭一
同訴訟代理人弁護士 ■■■■
同 ■■■■
■■■■
被告 有限会社■■■■
同代表者代表取締役 ■■■■
■■■■
被告 ■■■■
■■■■
被告 ■■■■
被告ら訴訟代理人弁護士 ■■■■
同 ■■■■

主文

  1. 被告らは、原告に対し、各自、金771万7808円及び内金140万円に対する平成12年6月1日から支払済みまで年20%の割合による金員を支払え。
  2. 被告有限会社■■■■は、平成12年8月18日から平成22年6月13日までの間、日本国内において、原告が販売する特殊コーチィング剤等を用いて行われるバスルーム、キッチン、洗面台、家具、家電製品などにリフィニッシング(カラーコーティング再生)する事業(バスタブドクター事業)と類似又は競合する事業を行ってはならない。
  3. 原告のその余の請求を棄却する。
  4. 訴訟費用はこれを3分し、その2を原告の、その余を被告らの負担とする。

第3 判断

  1. 証拠(甲1、2、3のないし4、4の1ないし4、5、6、原告代表者、被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実を認めることができる。
    1. 原告の主張(1)ないし(5)の事実。
    2. 原告の主張するバスタブドクター事業というのは、原告がアメリカの会社から買い入れる特殊コーティング剤(塗料)を用いて行われるバスルーム、キッチン、洗面台、家具、家電製品などにリフィニッシング(カラーコーティング再生)する事業であり、特に浴槽のリフォームが重要であるが、その特徴は、浴槽自体を取り替えることなく、現在ある浴槽をそのまま利用して、特殊コーティング剤を塗装してリフォームするので、浴槽自体を取り替えるよりも、安価にかつ早く仕上がるという利点があるというものであった。
    3. ■■■■は、不動産関係の仕事をしていたところ、住宅のリフォームにも進出しようとしていて、当時アメリカから最新技術を導入したと宣伝していたトータルサービスの事業が目に留まり、平成7年11月7日、トータルサービスとの間に、本件契約を締結し、息子の■■■■が、同年12月頃、約1週間の講習会に参加した。
    4. 本件契約を解除する旨を記載した原告の平成12年6月15日付準備書面は、同年8月18日、被告らに到達した。
  2. 被告らは本件契約が要素の錯誤により無効であると主張する。
    1. 証拠(乙2、被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実を認めることができる。
      1. ■■■■は、講習を受けた後、被告会社の代表者として、本件契約にかかるリフォーム事業を開始したところ、次のような理由から、利益があがらず、初年度は750万円の赤字、2年度も利益がでなかった。
        1. 塗料は、アメリカ製のものであることから、値段が高く、日本の塗料の最高級品の約1・5倍で、代金は前払いで、製品が手元に到着するのに2週間程かかった。
        2. 浴槽を取り替えずにリフォームする方法は、日本国内で他にC社とN社と2社が行っていた。
        3. 原告の設計価格では、浴槽1個の塗装につき13万6000円であったが、当初1年間はキャンペーン価格9万8000円でやってくれと言われ、この期間が過ぎても、原告が雑誌とかテレビで行う宣伝がキャンペーン価格によっているので、顧客からもその価格でするように求められ、設計価格に戻せなかった。
      2. 本件契約にかかるリフォームの方法は、塗料をシンナーで希釈して塗るものであるため、■■■■は、塗料の溶剤臭によってアレルギー体質がひどくなった。
      3. 被告会社のしたリフォームにつき、以下のとおり、原告から技術的指導が不足し、顧客から仕事の結果につきクレームがでて、その処理に大きな労力がさかれた。
      1. ■■■■は、平成8年3月18日から、練馬区大泉の顧客に依頼されて、1戸建てのホーロー浴槽のリフォームをしようとしたところ、浴槽の表面に錆のみでなく、白花現象(エフロレッセンス)と呼ばれる白いざらざらしたものが付着していた。■■■■が現場から本部の●●に電話したところ、●●が現場に来たが、当初「これは削り取らなきゃ駄目だ」と言って自ら作業し始めたが、30分位で「このままやっていいんじゃない」と言って帰ってしまった。■■■■は、翌日、本部の▲▲にも現場に来て見てもらったが、「分からない、とりあえずやってみたら」ということであった。そこで■■■■は、通常の錆の場合の処理(表面に出ている錆を削り、パテで埋めて塗装する。)をしたが、その後、塗装に無数の針の穴のような小さな穴ができて、錆が原因で塗装が浮いてきてしまった。
      2. ■■■■は、同年4月22日から、千葉県若葉区の顧客に依頼されて、■■のラブホテルでラメ入りの浴槽のリフォーム工事をした際、工期の都合上、遠赤外線照射器を使用して塗料を強制乾燥させる必要があり、■■■■が本部の▲■に問い合わせたところ、そのようなデータがないので、アメリカに問い合わせると言ったが、そのまま回答がなかった。
      3. ■■■■は、同年5月20日から、群馬県板郡宮城村の顧客に依頼されて、■■■■■■■■というところの20人用大浴槽の工事をした際、タイルが古かったし、寒い場所であるため温度管理が困難といった問題があったので、本部に相談したところ、原告の担当者から「やってみなくちゃわからない、よいデータになるから是非施工して結果を教えて欲しい」と言われた。
      4. ■■■■は、同年2月24日から、千葉県船橋市の顧客の依頼により、浴槽のリフォームをしたところ、光沢のある塗料が売りのはずなのに、光沢がほとんどないとのクレームを受け、本部の▲■と●●に質問したところ、明確な回答がなかった。■■■■は、独自に■■■■の■■■に尋ねたところ、■■■から、原告の指導している自動車のワックス掛けのような機械を使用することでは駄目で、板金塗装用の機械を使用するようにアドバイスを受けたので、この機械を2万円以下で購入して施工してみたら、満足のいく光沢がでた。
      5. このようなことから、本部を頼らず、原告のフランチャイジー同士でグループを作り、技術的な情報を交換し合うようになった。
    2. しかしながら、証拠(甲1、6、8、9、12、原告代表者)によれば、以下の事実も認められる。
      1. 本件契約では、本部は、フランチャイジーに対し、売上保証や営業保証をするものではない(8条3項)と定められている。

        フランチャイジーがキャンペーン価格を使う使わないとか、どのような価格設定にするか、また、原告の作成したチラシを使用するもしないも自由であった。他のキッチン、トイレ等のリフォームと合わせて受注を受けて利益をあげる努力も必要であった。

        原告は、被告会社に対し、これまでに400万円程度の仕事を紹介している。

      2. 原告は、塗料について、他のフランチャイジーから被告が主張するようなクレームを受けたことがなかった。原告には、現在、100程度のフランチャイジーが存在する。
      3. バスタブドクター事業を含むコーティング関連事業では、溶剤臭は避けて通れない問題であり、原告においては、日本の住宅事情を考えて独自に溶剤臭回収装置を開発していた。これは、活性炭とダクトを使って溶剤臭やミストを外部に排出する装置である。この性能について、フランチャイジーからもう少し軽くならないかとか、もう少し早く吸収しないかという言葉はあったが、機能しないということは言われてはいない。

        また、施工担当者には、マスクとゴーグルの装置が義務付けられていた。

        塗料のスプレーリングは1度に何時間も連続して行うものではなく、マスクとゴーグルの装着等の作業場のルール、マスクの活性炭の期限等について遵守することになっていた。

      4. 浴槽の錆処理については、100%再発しないことを保証することは難しく、最大限に再発を防止するためには錆の部分を可能な限り削り取り、そこに錆防止処理を施し、それ以上錆が広がらないようにするのが一般的な方法であった。
      5. 原告代表者は、常々原告の社員の対応に問題がある場合には、代表者個人に直接に連絡をして欲しい旨、講習等を通じて伝えていた。原告代表者は、■■■■から対応が遅いとかのクレームを受けたことはあったが、担当者に注意したり、米国に問い合わせるために時間が要るなどの説明をした。

        なお、被告会社は、毎月、■■■■名で営業報告書を提出しており、同書面には「本部への提案・意見など」という欄があるが、被告会社から何ら苦情や提案とった記載はなかった。

      6. 被告会社は、平成9年5月、原告との間に、契約締結後1年でエリアを群馬県■■■■に変更する約定を変更し、エリアを■■■■区内のままとすることとし、このためこれまで低い価格で支払っていたエリアライセンス料の差額として、新たに135万5480円を支払った。このことは、本契約締結後1年半程度を経過した後に、被告会社において、これだけの金員を支出してもなお本件契約を継続するメリットを認めていたことになる。
      7. 被告会社が原告に提出した営業報告書によっても、開業後から平成9年11月までの通算累計で、バスタブドクター事業の工事件数は57件で工事金額は837万7464円であり、その他のリフォームの工事件数は16件で工事金額は525万7340円であり、収入があった。

        被告会社は、事務所経費として、■■■■が購入した居住用のマンションの支払を含めたり、倉庫を借りた賃料を含めたりしていたが、どちらもバスタブドクターの事業には必要があるとはいえず、これも事業の収入が少ない原因であった。

    3. そうすると、たしかに、被告会社において本件契約に基づくリフォーム事業を始めたところ、期待したほど利益があがらず、また個々の技術的な問題について原告に尋ねても確たる回答を得られなかった場合があったとはいえる。しかしながら、利益については、被告会社が経費に必要ないものを入れていたこともあり、技術的な問題については、新規の事業であるから、フランチャイジーである被告会社において試行努力して解決しなければならない点もあったのであり、原告としても全く誠意がなかったというわけではなく、このような事情を考えると、本件契約がフランチャイズ契約として成立しえないような内容のものであるとまで認めるに至らない。
      したがって、被告ら主張の本件契約が錯誤により無効であるとの主張は認めることができない。
  3. 被告らは、本件契約につき原告に債務不履行があったため、被告会社において契約を解除した旨主張するところ、証拠(乙1、被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば、被告会社は、平成10年8月26日、本件契約を無条件で解約する旨の書面を原告宛に送付したことが認められる。

    しかしながら、前示2項認定の事実からして、原告に債務不履行があったと認めるに至らない。

    したがって、被告らの解除の主張は、採用することができない。

  4. 被告らは、競業避止義務の期間は長期に過ぎ、また、1億円の違約損害金は高額に過ぎる旨主張する。
    1. 証拠(甲3の1ないし4、4の1ないし4、7の1・2、10、11、原告代表者、被告代表者)及び弁論の全趣旨によれば、次の事実を認めることができる。
      1. 被告会社は、平成10年8月26日、原告に対して本件契約の解約を申し入れたのと前後して、原告の使用している石油から製造する有機塗料と異なり、ケイ素等を原材料とする無機塗料を使用するとして、浴槽その他をリフォームする仕事をした。
      2. 被告会社は、自己が解除の意思表示をしたという後も、原告に対して本件契約の定められた資料の返還をしなかった。
        原告は、平成10年12月及び平成11年1月、被告会社や連帯保証人らに対し、本件契約を維持する意思があるのか、あるいは契約関係の清算に向けて話合いをする意思があるのかを記載した内容証明郵便を送付したが、被告会社は、これを受領せず、連帯保証人らは、何らかの回答をしなかった。

        被告会社は、原告が本訴を提起した後、資料の一部を返済したが、その余の資料は既に手元にないとして返還していない。

      3. 被告会社は、平成12年4月には、「ザ・リフォーム」という毎週1回発行の業界紙に「便器塗装で年商3800万円アップ」という表題で「■■■■(■■■■■■区 ■■■■社長)は無機塗料を用いた塗料で昨年度売り上げを3800万円伸ばした。無機塗料をムラなく塗る技術でトイレの便器、浴槽も塗装が可能になったことが大きい。業界間の紹介で月10件、30万前後で住宅のトイレ、浴槽を塗装する。これまで便器や浴槽のひび割れ、老朽化には取り換え工事を行うのが一般的だった。同社ではひび割れも塗装で半永久的に保全出来るという。無機塗料の主原料はガラスと同じケイ素で、ひび割れを上からコーティングするためだ。…顧客と話し合いをする際は施工実例を見せ、取り換え工事よりも低価格で工事できる点や無機塗料を用いた体に無害な塗料であること、洗浄し易い衛生面の長所をプレゼンテーションしている。」などと記載した記事を載せた。

        また、その頃、同紙に「溶岩を含んだ浴槽塗料を開始」という表題で「■■■■(■■■■■■区、■■■■社長)は…粉末状の溶岩を織り込んだ無機塗料での浴槽の塗料を本格的に開始する。この溶岩を含んだ塗料は遠赤外線の反射率がほぼ100%で温泉並みの保湿性に優れているのが特徴だ。」などと記載した記事を載せた。

      4. 被告会社は、平成12年8月には、同じく「ザ・リフォーム」という新聞に、「無機塗装の技術施工業務でFCを展開」の表題で「■■■■(■■■■■■区、■■■■社長)は無機塗料の塗装の技術を柱にフランチャイズ展開を始める。…屋号は■■■■■■■だ。このFC加盟には、権利金、研修費用、保証金、機材も含め210万円で、現在は先行予約を受けつけている。施工業務にはロイヤリティ制を用い、施工に対しての15%から85%までのロイヤリティが発生、実績に応じポイントバックしていくという。…同社では無機塗料を用い、ひび割れた浴槽、トイレ等、タイル面の補修を行っている。取り壊し替える作業では100万円程度する浴槽もコーティングにより30万円から40万円の価格で施工は可能。更に体に無害とされる無機塗料の使用で、人体にも環境にも易しい。同社ではこの技術を習得することで昨年は3800万円の売上げ増に成功している。」などと記載した記事を載せた。
      5. 被告会社は、実際に、「■■■■■■■」「平成12年10月正式スタート」「フランチャイズチェーンご加盟のご案内」「先行募集開始」などを記載した案内書を作成し、自らが本部となって、浴槽等のリフォーム業を含むフランチャイズチェーンを展開を計画した。
    2. 以上認定の事実によれば、被告会社は、自己が契約解除をしたとする平成10年8月以後も、原告が契約解除をした平成12年8月18日以後も、本件契約の対象であるバスタブドクター事業と同一ないし類似の事業を継続していたと認められる。

      被告会社は、被告会社の方法は無機塗料を使用するもので、有機塗料を使用する原告の方法とは別個のものである旨主張するけれども、原告の浴槽などのリフォーム事業の主たる着眼点は、浴槽を取り替えることなく、錆止めを施してから塗料を塗ることによってリフォームをし、これによって浴槽等自体を取り換えるよりも安価にかつ低廉にリフォームをしようとするものであって、被告会社の方法もその根本的考え方において同一であるということができる。

      そうすると、被告会社は、本件契約における競業避止義務に違反しているということになる。

    3. 被告らは、10年間にわたって競業避止義務を要求するのは、長期にすぎる旨主張したところ、たしかに、基本的には職業選択の自由、営業の自由が存在し、また、証拠(原告代表者)及び弁論の全趣旨によれば、原告と同様なリフォーム業をしている会社が現在国内に3,4社存することが認められているが、これらの3、4社が何時からそのような業務を始めたのか明らかでないし、また、同証拠によれば、①原告としても、米国の本部に支払った権利金、米国との契約締結に至るまでの調査費用、渡航費用、通訳費用、契約締結時の部弁護士費用、あるいは契約締結後に延べ数十人にわたって米国に渡航させて研修を数か月受けさせた費用、その通訳費用、あるいはマニュアルの翻訳費用、その手直し費用、英語のパンフレットを日本語訳に替える費用等開業するまでに時間と費用をかけていること、②浴槽のリフォームをする際に、浴槽を取り替えないで塗り替えるというやり方が一般消費者にまだ普及しているとはいえないことが認められるので、これらのことを総合すれば、本件契約における10年の競業避止義務の期間の定めが公序良俗に反して無効とまでいうことはできない。

      そうすると、原告のした本件契約の解除の効力が発生した日の翌日である平成12年8月19日から10年以内であって、原告の請求する範囲である平成22年6月13日までの競業避止義務を認めることができる。(もっとも、契約解除以前にも競業避止義務が存在することは、証拠(甲1)によれば、本件契約33条3項により明らかである。)

    4. 次に、違約損害金の額について検討するに、前示認定事実によれば、■■■■及び被告会社は、本件契約において、競業避止義務に違反した場合の違約損害金として1億円を支払う旨の約定をしたことが認められる。

      しかしながら、本件契約における毎月の基本ロイヤリティ及び広告企画費等は5万円であるから、その年額は60万円であって、1億円という額は、基本ロイヤリティ及び広告企画費等の年額60万円の166倍強であって、166年分強に該当する。このような高額の違約損害金の約定は、原告がフランチャイズ契約における優位な立場を利用して相手方に一方的に不利な合意をさせた条項として、相当な金額の部分を除き、公序良俗に反して無効であるといわざるを得ない。

      そして、前示認定の諸般の事情を考慮すると、被告会社が負担すべき違約損害金の額は600万円が相当であると判断される。

  5. 以上により、原告の本訴請求は、次の限度で理由があり、その余は理由がない。
    1. 被告らに対し、各自、平成10年3月1日から平成12年6月30日までの基本ロイヤリティ及び広告企画費等の未払額140万円、並びにこれに対する平成10年2月28日から平成12年5月31日までの約定による年20%の割合による確定遅延損害金31万7808円(別紙遅延損害金計算のとおり)、並びに140万円に対する平成12年6月1日から支払済みまで同じく約定による年20%の割合による遅延損害金の支払を求める部分。
    2. 被告らに対し、各自、違約損害金600万円の支払を求める部分。
    3. 被告会社に対し、平成12年6月14日から平成22年6月13日までの間、日本国内において、原告が販売する特殊コーティング剤等を用いて行われるバスルーム、キッチン、洗面台、家具、家電製品等にリフィニッシング(カラーコーティング再生)する事業(バスタブドクター事業)と類似又は競合する事業の禁止を求める部分。
  6. よって、主文のとおり判決する。

東京地方裁判所八王子支部民事第3部 裁判官 関野 杜滋子

トータルサービス事件 – 8 :当裁判所の判断(過失相殺)について・結論

3 争点(1)イ (過失相殺)について
上記2(1)の被告の不法行為の内容からすれば,原告が原告補助参加人に対し,契約関係の有無を直接確認せず,工事着工確認書の担当者欄にTの署名があったことを特段問題としなかったなどの事情があるとしても,当事者の公平の観点から過失相殺する必要があるとは認められない。

4 争点(2)(請負契約の成否)について
被告の原告に対する不法行為の成立と原告と被告との間の請負契約の成立は両立しないことから,上記2のとおり,被告に不法行為が成立する以上,争点(2)については判断するまでもない。

5 結論
以上によれば,原告の請求は,主位的請求のうち1907万9150円及びこれに対する不法行為後の平成23年2月7日から支払済みまで民法所定の年5分の遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから認容し,その余は理由がないから棄却し,訴訟費用は,民事訴訟法64条ただし書,61条により,被告の負担とする。
東京地方裁判所民事第42部
裁判官樋口真貴子

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トータルサービス事件 – 7 :当裁判所の判断(不法行為の成否)に対する判断

2争点(1)ア (不法行為の成否)に対する判断
(1) 不法行為の成否
本件において,被告は,上記1(2)のとおり,本件元請契約における本件物件の浴槽コーティング工事を過小に見積もったことから,施主である株式会社Tが要求するカウンター部分及びエプロン部分のコーティング工事も施工すると赤字を余儀なくされる状況にあり,赤字を回避するためには,被告は,原告補助参加人から追加工事として別途代金の支払を受けるか,被告と原告補助参加人との間の本件元請契約の浴槽工事部分を解除し,本件浴槽工事を原告と原告補助参加人との直接契約としてもらうか,本件改修工事全体の中で原告補助参加人に工事内容を変更してもらうなどしてコストを抑える必要があったと認められる。
しかし,Tは,本件改修工事の工期が迫っていたことから,上記問題を解決せず,原告補助参加人から本件浴槽工事を含めて本件改修工事全体を請け負った状態のまま,原告にそれを告げず,見積書及び工事着工確認書の宛先を原告補助参加人と記載させるなど,あたかも本件浴槽工事の発注者は原告補助参加人であるかのような言動をとったことが認められる。
そして,上記1(3)のとおり,原告は,Tの上記言動により,本件浴槽工事の発注者は原告補助参加人であると信じて,本件浴槽工事を完成させ,これを被告又は原告補助参加人に引き渡したにもかかわらず,被告及び原告補助参加人のどちらからも代金の支払を受けることができなかったことが認められる。
そうすると,上記Tの言動は,原告の権利を侵害する違法な行為というべきであり,これらは,本件元請契約内容及び被告と下請業者との間の契約内容を把握し,Tから適宜報告を受けていた被告代表者も認識していたと認めるのが相当である。
したがって,被告には不法行為が成立する。

(2) 損害
以上によれば,原告は,被告の不法行為によって,本件浴槽工事の代金相当額である1734万9150円を受けられなかったことが認められる。また,原告が請求する弁護士報酬のうち,1734万9150円の1割に相当する173万円(1万円未満四捨五入)は,被告の不法行為と相当因果関係を有する損害と認めるのが相当である。
したがって,被告の不法行為により,原告は,1907万円9150円の損害を受けたと認められる。なお,不法行為による損害賠償請求権は,商行為によって生じた債権ではないから,遅延損害金の利率において商法514条適用するのは相当ではない。

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トータルサービス事件 – 6 :当裁判所の判断・認定事実等

第3 当裁判所の判断
1 認定事実
証拠及び弁論の全趣旨によれば,前記第2の1の各事実に加え,次の事実を認めることができる。
(1) 被告が原告補助参加人から本件浴槽工事の発注を受けた経緯(甲1,11,13,乙6,丙6の1,7,T証言)
原告補助参加人の本件物件担当者Mは,株式会社Tから本件改修工事を請け負う際の参考とするため,平成22年9月13日ころ,Nに対し,浴槽のコーティング工事の代金額を問い合わせたところ,Nは,1基当たり8万5000円をなる旨回答した。
株式会社Tから本件改修工事を1億2285万円(消費税込)で受注した原告補助参加人は,被告との間で,9450万円(前同)で本件元請契約を締結した。
被告は,浴槽コーティング工事の内容について原告補助参加人から具体的な説明を受けないまま,浴槽本体部分のみのコーティングを前提として,本件物件の浴槽コーティング工事一式を1293万7000円(1基当たり約4万5000円),本件改修工事の総額を1億3700万円(税前)と見積もった上,4700万円を控除した9000万円(消費税抜)で原告補助参加人から本件改修工事を請け負った。

(2) 本件浴槽工事の範囲及びそれに関する問題点(甲12,20,乙6,丙7,U証言,T証言)
Tは,同年10月14日ころ,Uとともに,本件物件の見本として改修した部屋(以下「モデルルーム」という。)を見学し,株式会社Tの従業員柳辺から浴槽本体のみならず,エプロン部分及びカウンター部分もコーティングすることを指示された。その際,Uは,柳辺に対し,エプロン部分及びカウンター部分を除くことはできないか頼んだが,同人はこれを了承しなかった。
Tは,被告が原告補助参加人から請け負った請負代金では赤字になると思い,Uにその旨話したが,本件改修工事の全体からみれば大した問題ではないなどと言われ,それ以上,Uとの間で,本件浴槽工事の代金の負担について具体的な話合いをしなかった。

(3) TのNに対する本件浴槽工事の依頼に関する言動等(甲2から4,6,9,17,乙5、6、N証言,T証言)
被告は,原告補助参加人から請け負った本件浴槽工事のうち浴槽コーティング工事について,施工業者として原告及び株式会社■■■■に声をかけ,Nは,同月20日,モデルルームを見て,浴槽コーティング工事の内容を確認した。
モデルルームを確認したNは,同月21日,本件物件の浴槽コーティング工事について,279基を請け負った場合1基当たり8万2500円として2416万8375円(消費税込),68基を請け負った場合1基当たり9万円として642万6000円(同上)とそれぞれ見積り,原告補助参加人宛の見積書(甲2,3)を作成し,Tにこれらを渡した。
Nは,Tから本件物件の130基分の浴槽コーティング工事を依頼されたことから同月22日,1基当たり8万円で130基を請け負ったことを確認する原告補助参加人宛て工事着工確認書(甲4)を作成し,本件現場事務所に提出した。Tは,Nを通じて,原告に対し,1基当たりの単価を下げるよう求めたところ,原告がこれに応じたことから,上記工事着工確認書の単価を7万9000円に訂正した上で,同書面の担当欄に「T」と署名をし、原告にファックスで返信した。
その後,原告は,Tから,追加の浴槽コーティング工事を依頼され,最終的に合計209基分の本件浴槽工事及び点検口4枚の修理工事を行った。
Nは,本件浴槽工事の発注元は,被告ではなく原告補助参加人であることを前提に内部決裁書類(甲6)を作成した。
Nは,同年12月2日,1基当たり7万9000円で本件物件の209基分の浴槽工事及び1枚当たり3000円で点検口4枚の修理工事を最終的に請け負ったことの確認として,原告補助参加人宛の工事着工確認書(甲9)を作成し,本件現場事務所に提出したところ,Tがこれに署名をして原告に返した。
被告は,原告が本件浴槽工事を完成させるまで,被告が同工事を含めて原告補助参加人から一括発注を受けていること,及び本件元請契約の請負代金の見積段階で被告が浴槽コーティングの範囲を正確に把握していなかったために過小見積りとなり,代金の支払に問題が生じないことを原告に告げなかった。
Tは,被告における本件改修工事の責任者であるが,被告代表者には進捗状況について適宜報告し,契約に関する事項は,被告代表者の決裁を受けていた。
なお,被告は,本件元請契約の本件物件の浴槽コーティング工事の請負部分を解除し,本件浴槽工事は原告が原告補助参加人から直接発注を受けたと主張し,証人Tは,同年10月22日,本件物件において,U及びNと打合せをした際,Nから本件浴槽工事の発注元は原告補助参加人としてほしい旨の申出があり,原告,被告及び原告補助参加人との間で,本件浴槽工事は原告と原告補助参加人との直接契約をする合意をしたかのような証言をしているが,Tの証言においても,「■■■■と同じようなやり方でいいですね」,「Nさんのところでやってもらいますよ」などと言ったにすぎないうえ,被告の主張によれば,被告は,本件浴槽工事の完工後,浴槽コーティング範囲拡大を理由に,原告補助参加人に対し,追加代金を請求したというのであるから,被告は,むしろ,被告と原告補助参加人との間の本件浴槽工事の請負契約は解除されていないものと認識していたというべきである。上記認定は,■■■■の工事及び■■■■の工事において,原告と原告補助参加人との間で直接契約を結んだことがあったか否かには左右されない。また,証人Tは,原告補助参加人が被告の請求額から原告施工分を控除して被告に支払をするのであるから,被告が原告施工分を含めて原告補助参加人に請求しても問題ないなどとも証言するが,被告は,原告施工分や1基当たりの単価を明示せずに原告補助参加人に追加代金を請求しており,合理的な説明とは言えない。
したがって,被告と原告補助参加人との間の本件元請契約のうち本件浴槽工事部分を解除し,原告補助参加人が原告に直接発注するとの合意をしたと認めることはできない。

(4) 本件浴槽工事の代金請求等(甲10,15の1~16,21,N証言,T証言)
原告は,本件浴槽工事完工後,原告補助参加人宛に請求書を発行しようとしたところ,Tから被告宛てに請求書を発行するよう言われ,平成22年12月24日,支払日を平成23年2月7日として,本件浴槽工事の代金1734万9150円(消費税込)を請求する旨の平成22年12月22日付け宛の請求書(甲10)を被告に郵送した。
Tは,原告補助参加人が被告に本件物件の浴槽工事代金を追加で支払うようUに求めたが,原告補助参加人はこれに応じなかった。
原告は,被告が本件浴槽工事の請負代金を支払わなかったことから,平成23年2月21日,代理人弁護士を通じ,被告に対し,本件浴槽工事の請負代金1734万9450円(消費税込)の支払を求めた。これに対し,被告は,代理人弁護士を通じ,本件浴槽工事は,原告補助参加人から請け負っておらず,原告は原告補助参加人から支払を受けるべきであると主張し,原告に上記代金を支払わなかった。

(5) 本件改修工事代金の支払(丙6の2~6の8,7,被告代表者の陳述)
原告補助参加人は,平成23年1月20日までに,被告に対し,本件浴槽工事代金を含むものとして,本件元請契約の請負代金から控除金及び協力会費を控除した9019万2575円を支払った。
また,原告補助参加人は,被告に対し,当初の工事に加え,2480万円(消費税抜)の追加工事を発注し,うち2129万4700円(消費税込。ただし協力会費を控除した額)を支払った。

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トータルサービス事件 – 5 :当事者(被告)の主張

(被告の主張)
被告は,原告を欺罔していない。
被告は,原告補助人から浴槽本体のみのコーティング工事を含む本件物件の改修工事を請け負ったが,原告補助参加人がエプロン及びカウンター部分を含む本件浴槽工事を原告に直接発注することになったことから,被告と原告補助参加人との間の請負契約のうち,原告が原告補助参加人から直接請け負った本件物件の浴槽本体のコーティング工事の請負部分を解除した。原告補助参加人は,■■■■の工事及び■■■■の工事でも,同様の方法により,原告に直接発注した。
したがって,被告は,本件浴槽工事の請負契約は,原告と原告補助参加人との間の契約であると認識していたことから,被告が原告を欺罔したということはないし,それについて過失もない。

(2) 争点(1)イ (過失相殺の適否)について
(被告の主張)
原告は,原告補助参加人とは10年ほど前から付き合いがあり,工事着工確認書(甲4,9)の下段には,発注者の社名及び住所の記載がなく,Tの署名しかなかったのであるから,原告補助参加人に発注者を確認することが容易にできたはずである。
したがって,仮に,被告に不法行為が成立するとしても,その確認を怠った原告には重大な過失があることから,大幅な過失相殺をすべきである。
(原告の主張)
原告は,工期が迫った中で,被告の極めて巧みな欺罔行為によって発注者が原告補助参加人であると誤解させられらのであり,原告はこれを疑うことはできなかったし,発注者を確認する義務もない。また,本件現場事務所には,常に被告の従業員であるTが待機しており,原告補助参加人に確認することはできなかった。

(3) 争点(2) (原告を被告の間の請負契約の成否と及びその内容)について
(原告の主張)
万が一,被告の不法行為が認められない場合には,原告と被告の間において,本件浴槽工事の請負契約が成立しているというべきである。
(原告補助参加人の主張)
原告補助参加人は,原告に対し,本件浴槽工事を発注したことはないし,浴槽及びエプロン部分のみのコーティング工事を発注したこともない。
原告補助参加人は,本件物件の改修工事に関し,浴槽のエプロン及びカウンター部分を含む浴槽のコーティング工事を被告に発注した。原告は,被告からの発注により本件浴槽工事を行ったのであるから,本件浴槽工事の代金は被告が支払うべきである。
(被告の主張)
被告は,原告との間で本件浴槽工事の請負契約を締結したことはない。
原告はこれまで被告と契約を締結したという認識はなかったことを前提とした主張をしていたのであり,原告の予備的主張はこれまでの主張と矛盾している。

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トータルサービス事件 – 4 :当事者(原告)の主張

3 当事者の主張
(1) 争点(1)ア (不法行為の成否)について
(原告の主張)
ア 被告は,本件浴槽工事代金の支払いを免れるために,本件浴槽工事の発注者は原告補助参加人であると装い,原告に本件浴槽工事を施工させた。
すなわち,被告は,本件物件のエプロン部分及びカウンター部分を含む浴槽のコーティング工事を原告補助参加人から請け負っていたにもかかわらず,被告の従業員であるT (以下「T」という)は,平成22年10月20日ころ,原告の従業員であるN (以下「N」という。)に対し,本件物件の浴槽コーティング工事を依頼した上,発注者は原告補助参加人となる予定であり,見積書は原告補助参加人宛てに出して欲しいと述べた。それを受けたNが本件物件の改修工事の現場事務所(以下「本件現場事務所」という。)に見積書(甲2,3)を持参すると,Tは,原告補助参加人の従業員であるU (以下「U」という。)の指示であるとして,1基当たりの代金の減額を求めた。さらに,Tは,同月23日に原告が本件物件の浴槽130基分のコーティング工事を引き受ける際に,Nに対し,発注者は原告補助参加人である,工事着工確認書は原告補助参加人宛で作成し,本件現場事務所に出してほしい,これについてはUからの了解を得ていると述べた(甲4,6)。
また,原告が同月31日に71基分を完成させたところで,被告は,Tを通じて,原告に対し,残りの59基分に加えて11基分を追加発注し,さらに,同年11月8日ころに43基分,同月25日ころに25基分の浴槽コーティング工事,同月15日から同22日までの間に点検口4口の修理工事をそれぞれ発注したが,その際にも,発注者は原告補助参加人であり,Uの了解を得ていると述べた。

イ 本件浴槽工事の代金は,1基当たり7万9000万円(消費税抜),点検口の補修の代金は,1口当たり3000円(消費税抜)であり,これらの代金の支払を受けられなかったことにより,原告は,合計1734万9150円(消費税込)の損害を受けた。
また,原告は,被告の不法行為により,本訴提起することになり,弁護士費用として180万円の支払を余儀なくされ,同額相当の損害を受けた。

ウ 仮に,被告が故意によって原告を騙したのではないとしても,被告は,自ら原告補助参加人から本件浴槽工事の発注を受けており,原告補助参加人が原告に発注するはずがないことを知りながら,原告補助参加人宛の見積書を作成するように原告に指示するなど,被告には,原告が発注者を誤信したことについて過失がある。
(原告補助参加人の主張)
原告補助参加人は,エプロン部分及びカウンター部分を含む浴槽のコーティング工事を被告に発注しており,原告補助参加人が原告に発注したことはない。Uは,原告から見積書を受け取ったことはないし,減額を要求したこともない。

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トータルサービス事 – 3 :事実及び理由・争点

2 争点
(1) 主位的請求に関し
ア 不法行為の成否
被告は,故意に本件浴槽工事の発注者は原告補助参加人であるかのように装って,原告に本件浴槽工事を施工させたか。または,被告は原告補助参加人から本件浴槽工事を含む本件物件の改修工事を一括で請け負っており,原告補助参加人が本件浴槽工事を原告に発注するはずがないことを知りながら,過失によりそれを原告に知らせず,本件浴槽工事を施工させたか。

イ 過失相殺の適否
(2) 予備的請求に関し
原告と被告との間の本件浴槽工事の請負契約の成否

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トータルサービス事件 – 2 :事実及び理由・争いのない事実等

事実及び理由
第1 請求
1 主位的請求
被告は,原告に対し,1914万9150円及びこれに対する平成23年2月7日から支払い済みまで年6分の割合による金員を支払え。

2 予備的請求
被告は,原告に対し,1734万9150円及びこれに対する平成23年2月8日から支払い済みまで年6分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
本件は,マンションの浴槽のコーティング工事を完成させた原告が,被告に対し,主位的には,発注者を偽るという被告の欺罔行為又は発注者を誤認させる被告の言動によって代金の支払を受けられなかったことを理由に,故意又は過失の不法行為(民法709条)による損害賠償請求権に基づき,損害金1914万9150円(代金相当額1734万9150円及び弁護士費用相当額180万円)及びこれに対する不法行為後の平成23年2月7日から支払い済みまでの商事法定利率の年6分の割合による遅延損害金の支払を求め,予備的には,請負契約に基づく代金支払請求又は同契約の債務不履行に基づく損害賠償請求として,1734万9150円及びこれに対する請負代金の支払期限の翌日である同月8日から支払済みまでの商事法定利率の年6分の割合による損害賠償金の支払を求める事案である。

1 争いのない事実等(証拠上容易に認定できる事実を含む。)

(1) 当事者等
原告は、建築物・構築物内外装の清掃・補修・保守の各事業等を業とする株式会社である。
被告は,駐車場誘導証明,駐車場機械設置,テナント設備配線工事等の電気工事業を主体に営業展開し,これに付随して店舗の改装工事を業とする株式会社である。
原告補助参加人は,土木・建築工事の調査,企画,設計,施工,監理及び請負等を業とする株式会社である。

(2) マンションの改修工事
原告補助参加人は,T株式会社から神奈川県横浜市所在のマンション「■■■■」(以下「本件物件という」。)の276基分の浴槽コーティング工事を含む改修工事(以下「本件改修工事」)を請け負った。
被告は,原告補助参加人から,上記276基分の浴槽コーティング工事を含む本件物件の改修工事を代金9450万円(消費税込)で請け負った(甲11,丙6の1,6の2,以下,かかる請負契約を「本件元請契約」という。)。

(3) 本件物件の浴槽コーティング工事の完成及び代金の支払
原告は,平成22年10月31日に本件物件の浴槽71基分のエプロン部分及びカウンター部分を含む浴槽コーティング工事,同年11月7日に70基分の同工事,同月22日に43基分の同工事及び点検口4口の修理工事,並びに同年12月3日に25基分の同工事(以下,上記合計209基分の浴槽コーティング工事を合わせて「本件浴槽工事」という。)を完成させた。しかし,原告は,被告からも原告補助参加人からも本件浴槽工事の請負代金の支払を受けることができなかった。
被告は,本件物件の浴槽276基のうち67基については,株式会社■■■■に対し,エプロン部分及びカウンター部分を含む浴槽のコーティング工事を発注し,同工事の請負代金を支払った。

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トータルサービス事件 – 1 : 原告・被告・主文

平成25年2月1日判決言渡 同日原本領収 裁判所書記官 永井牧子
平成23年(ワ) 第12961号 損害賠償請求事件
口頭弁論終結日 平成24年12月7日
判決
東京都新宿区西新宿二丁目1番1号新宿三井ビル
原告 株式会社トータルサービス
上記代表者代表取締役 山口恭一
上記訴訟代理人弁護士 ■■■■
同 ■■■■
同 ■■■■
同 ■■■■

原告補助参加人 ■■■■株式会社
上記代表者代表取締役 ■■■■
上記訴訟代理人弁護士 ■■■■

被告 株式会社■■■■
上記代表者代表取締役 ■■■■
上記訴訟代理人弁護士 ■■■■

主文
1 被告は,原告に対し,1907万9150円に及びこれに対する平成23年2月7日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,被告の負担とする。
4 この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

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