主張の記事一覧

トータルサービス事件 – 5 :当事者(被告)の主張

(被告の主張)
被告は,原告を欺罔していない。
被告は,原告補助人から浴槽本体のみのコーティング工事を含む本件物件の改修工事を請け負ったが,原告補助参加人がエプロン及びカウンター部分を含む本件浴槽工事を原告に直接発注することになったことから,被告と原告補助参加人との間の請負契約のうち,原告が原告補助参加人から直接請け負った本件物件の浴槽本体のコーティング工事の請負部分を解除した。原告補助参加人は,■■■■の工事及び■■■■の工事でも,同様の方法により,原告に直接発注した。
したがって,被告は,本件浴槽工事の請負契約は,原告と原告補助参加人との間の契約であると認識していたことから,被告が原告を欺罔したということはないし,それについて過失もない。

(2) 争点(1)イ (過失相殺の適否)について
(被告の主張)
原告は,原告補助参加人とは10年ほど前から付き合いがあり,工事着工確認書(甲4,9)の下段には,発注者の社名及び住所の記載がなく,Tの署名しかなかったのであるから,原告補助参加人に発注者を確認することが容易にできたはずである。
したがって,仮に,被告に不法行為が成立するとしても,その確認を怠った原告には重大な過失があることから,大幅な過失相殺をすべきである。
(原告の主張)
原告は,工期が迫った中で,被告の極めて巧みな欺罔行為によって発注者が原告補助参加人であると誤解させられらのであり,原告はこれを疑うことはできなかったし,発注者を確認する義務もない。また,本件現場事務所には,常に被告の従業員であるTが待機しており,原告補助参加人に確認することはできなかった。

(3) 争点(2) (原告を被告の間の請負契約の成否と及びその内容)について
(原告の主張)
万が一,被告の不法行為が認められない場合には,原告と被告の間において,本件浴槽工事の請負契約が成立しているというべきである。
(原告補助参加人の主張)
原告補助参加人は,原告に対し,本件浴槽工事を発注したことはないし,浴槽及びエプロン部分のみのコーティング工事を発注したこともない。
原告補助参加人は,本件物件の改修工事に関し,浴槽のエプロン及びカウンター部分を含む浴槽のコーティング工事を被告に発注した。原告は,被告からの発注により本件浴槽工事を行ったのであるから,本件浴槽工事の代金は被告が支払うべきである。
(被告の主張)
被告は,原告との間で本件浴槽工事の請負契約を締結したことはない。
原告はこれまで被告と契約を締結したという認識はなかったことを前提とした主張をしていたのであり,原告の予備的主張はこれまでの主張と矛盾している。

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トータルサービス事件 – 4 :当事者(原告)の主張

3 当事者の主張
(1) 争点(1)ア (不法行為の成否)について
(原告の主張)
ア 被告は,本件浴槽工事代金の支払いを免れるために,本件浴槽工事の発注者は原告補助参加人であると装い,原告に本件浴槽工事を施工させた。
すなわち,被告は,本件物件のエプロン部分及びカウンター部分を含む浴槽のコーティング工事を原告補助参加人から請け負っていたにもかかわらず,被告の従業員であるT (以下「T」という)は,平成22年10月20日ころ,原告の従業員であるN (以下「N」という。)に対し,本件物件の浴槽コーティング工事を依頼した上,発注者は原告補助参加人となる予定であり,見積書は原告補助参加人宛てに出して欲しいと述べた。それを受けたNが本件物件の改修工事の現場事務所(以下「本件現場事務所」という。)に見積書(甲2,3)を持参すると,Tは,原告補助参加人の従業員であるU (以下「U」という。)の指示であるとして,1基当たりの代金の減額を求めた。さらに,Tは,同月23日に原告が本件物件の浴槽130基分のコーティング工事を引き受ける際に,Nに対し,発注者は原告補助参加人である,工事着工確認書は原告補助参加人宛で作成し,本件現場事務所に出してほしい,これについてはUからの了解を得ていると述べた(甲4,6)。
また,原告が同月31日に71基分を完成させたところで,被告は,Tを通じて,原告に対し,残りの59基分に加えて11基分を追加発注し,さらに,同年11月8日ころに43基分,同月25日ころに25基分の浴槽コーティング工事,同月15日から同22日までの間に点検口4口の修理工事をそれぞれ発注したが,その際にも,発注者は原告補助参加人であり,Uの了解を得ていると述べた。

イ 本件浴槽工事の代金は,1基当たり7万9000万円(消費税抜),点検口の補修の代金は,1口当たり3000円(消費税抜)であり,これらの代金の支払を受けられなかったことにより,原告は,合計1734万9150円(消費税込)の損害を受けた。
また,原告は,被告の不法行為により,本訴提起することになり,弁護士費用として180万円の支払を余儀なくされ,同額相当の損害を受けた。

ウ 仮に,被告が故意によって原告を騙したのではないとしても,被告は,自ら原告補助参加人から本件浴槽工事の発注を受けており,原告補助参加人が原告に発注するはずがないことを知りながら,原告補助参加人宛の見積書を作成するように原告に指示するなど,被告には,原告が発注者を誤信したことについて過失がある。
(原告補助参加人の主張)
原告補助参加人は,エプロン部分及びカウンター部分を含む浴槽のコーティング工事を被告に発注しており,原告補助参加人が原告に発注したことはない。Uは,原告から見積書を受け取ったことはないし,減額を要求したこともない。

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