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トータルサービス事件 – 6 :当裁判所の判断・認定事実等

第3 当裁判所の判断
1 認定事実
証拠及び弁論の全趣旨によれば,前記第2の1の各事実に加え,次の事実を認めることができる。
(1) 被告が原告補助参加人から本件浴槽工事の発注を受けた経緯(甲1,11,13,乙6,丙6の1,7,T証言)
原告補助参加人の本件物件担当者Mは,株式会社Tから本件改修工事を請け負う際の参考とするため,平成22年9月13日ころ,Nに対し,浴槽のコーティング工事の代金額を問い合わせたところ,Nは,1基当たり8万5000円をなる旨回答した。
株式会社Tから本件改修工事を1億2285万円(消費税込)で受注した原告補助参加人は,被告との間で,9450万円(前同)で本件元請契約を締結した。
被告は,浴槽コーティング工事の内容について原告補助参加人から具体的な説明を受けないまま,浴槽本体部分のみのコーティングを前提として,本件物件の浴槽コーティング工事一式を1293万7000円(1基当たり約4万5000円),本件改修工事の総額を1億3700万円(税前)と見積もった上,4700万円を控除した9000万円(消費税抜)で原告補助参加人から本件改修工事を請け負った。

(2) 本件浴槽工事の範囲及びそれに関する問題点(甲12,20,乙6,丙7,U証言,T証言)
Tは,同年10月14日ころ,Uとともに,本件物件の見本として改修した部屋(以下「モデルルーム」という。)を見学し,株式会社Tの従業員柳辺から浴槽本体のみならず,エプロン部分及びカウンター部分もコーティングすることを指示された。その際,Uは,柳辺に対し,エプロン部分及びカウンター部分を除くことはできないか頼んだが,同人はこれを了承しなかった。
Tは,被告が原告補助参加人から請け負った請負代金では赤字になると思い,Uにその旨話したが,本件改修工事の全体からみれば大した問題ではないなどと言われ,それ以上,Uとの間で,本件浴槽工事の代金の負担について具体的な話合いをしなかった。

(3) TのNに対する本件浴槽工事の依頼に関する言動等(甲2から4,6,9,17,乙5、6、N証言,T証言)
被告は,原告補助参加人から請け負った本件浴槽工事のうち浴槽コーティング工事について,施工業者として原告及び株式会社■■■■に声をかけ,Nは,同月20日,モデルルームを見て,浴槽コーティング工事の内容を確認した。
モデルルームを確認したNは,同月21日,本件物件の浴槽コーティング工事について,279基を請け負った場合1基当たり8万2500円として2416万8375円(消費税込),68基を請け負った場合1基当たり9万円として642万6000円(同上)とそれぞれ見積り,原告補助参加人宛の見積書(甲2,3)を作成し,Tにこれらを渡した。
Nは,Tから本件物件の130基分の浴槽コーティング工事を依頼されたことから同月22日,1基当たり8万円で130基を請け負ったことを確認する原告補助参加人宛て工事着工確認書(甲4)を作成し,本件現場事務所に提出した。Tは,Nを通じて,原告に対し,1基当たりの単価を下げるよう求めたところ,原告がこれに応じたことから,上記工事着工確認書の単価を7万9000円に訂正した上で,同書面の担当欄に「T」と署名をし、原告にファックスで返信した。
その後,原告は,Tから,追加の浴槽コーティング工事を依頼され,最終的に合計209基分の本件浴槽工事及び点検口4枚の修理工事を行った。
Nは,本件浴槽工事の発注元は,被告ではなく原告補助参加人であることを前提に内部決裁書類(甲6)を作成した。
Nは,同年12月2日,1基当たり7万9000円で本件物件の209基分の浴槽工事及び1枚当たり3000円で点検口4枚の修理工事を最終的に請け負ったことの確認として,原告補助参加人宛の工事着工確認書(甲9)を作成し,本件現場事務所に提出したところ,Tがこれに署名をして原告に返した。
被告は,原告が本件浴槽工事を完成させるまで,被告が同工事を含めて原告補助参加人から一括発注を受けていること,及び本件元請契約の請負代金の見積段階で被告が浴槽コーティングの範囲を正確に把握していなかったために過小見積りとなり,代金の支払に問題が生じないことを原告に告げなかった。
Tは,被告における本件改修工事の責任者であるが,被告代表者には進捗状況について適宜報告し,契約に関する事項は,被告代表者の決裁を受けていた。
なお,被告は,本件元請契約の本件物件の浴槽コーティング工事の請負部分を解除し,本件浴槽工事は原告が原告補助参加人から直接発注を受けたと主張し,証人Tは,同年10月22日,本件物件において,U及びNと打合せをした際,Nから本件浴槽工事の発注元は原告補助参加人としてほしい旨の申出があり,原告,被告及び原告補助参加人との間で,本件浴槽工事は原告と原告補助参加人との直接契約をする合意をしたかのような証言をしているが,Tの証言においても,「■■■■と同じようなやり方でいいですね」,「Nさんのところでやってもらいますよ」などと言ったにすぎないうえ,被告の主張によれば,被告は,本件浴槽工事の完工後,浴槽コーティング範囲拡大を理由に,原告補助参加人に対し,追加代金を請求したというのであるから,被告は,むしろ,被告と原告補助参加人との間の本件浴槽工事の請負契約は解除されていないものと認識していたというべきである。上記認定は,■■■■の工事及び■■■■の工事において,原告と原告補助参加人との間で直接契約を結んだことがあったか否かには左右されない。また,証人Tは,原告補助参加人が被告の請求額から原告施工分を控除して被告に支払をするのであるから,被告が原告施工分を含めて原告補助参加人に請求しても問題ないなどとも証言するが,被告は,原告施工分や1基当たりの単価を明示せずに原告補助参加人に追加代金を請求しており,合理的な説明とは言えない。
したがって,被告と原告補助参加人との間の本件元請契約のうち本件浴槽工事部分を解除し,原告補助参加人が原告に直接発注するとの合意をしたと認めることはできない。

(4) 本件浴槽工事の代金請求等(甲10,15の1~16,21,N証言,T証言)
原告は,本件浴槽工事完工後,原告補助参加人宛に請求書を発行しようとしたところ,Tから被告宛てに請求書を発行するよう言われ,平成22年12月24日,支払日を平成23年2月7日として,本件浴槽工事の代金1734万9150円(消費税込)を請求する旨の平成22年12月22日付け宛の請求書(甲10)を被告に郵送した。
Tは,原告補助参加人が被告に本件物件の浴槽工事代金を追加で支払うようUに求めたが,原告補助参加人はこれに応じなかった。
原告は,被告が本件浴槽工事の請負代金を支払わなかったことから,平成23年2月21日,代理人弁護士を通じ,被告に対し,本件浴槽工事の請負代金1734万9450円(消費税込)の支払を求めた。これに対し,被告は,代理人弁護士を通じ,本件浴槽工事は,原告補助参加人から請け負っておらず,原告は原告補助参加人から支払を受けるべきであると主張し,原告に上記代金を支払わなかった。

(5) 本件改修工事代金の支払(丙6の2~6の8,7,被告代表者の陳述)
原告補助参加人は,平成23年1月20日までに,被告に対し,本件浴槽工事代金を含むものとして,本件元請契約の請負代金から控除金及び協力会費を控除した9019万2575円を支払った。
また,原告補助参加人は,被告に対し,当初の工事に加え,2480万円(消費税抜)の追加工事を発注し,うち2129万4700円(消費税込。ただし協力会費を控除した額)を支払った。

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